2009年02月18日

【村上春樹の英語スピーチ】

村上春樹さんが、2月15日にイスラエルで権威ある文学賞「エルサレム賞」を受賞しましたね。ニュースのビデオでは、原稿をほとんど読まずに、スピーチしています。とても落ち着いた、良い英語スピーチですね。

今、イスラエルは、パレスチナ自治区であるガザへの侵攻・パレスチナ市民虐殺で、国際社会から非難を受けています。そんな中、イスラエルの権威(市長など列席している。)ある賞を受賞することにたくさんの批判もありました。村上氏は、あえて賞を受けることで、みづからの意見をイスラエルの人々の前で、そして、世界の人々に向けて述べました。 【壁=戦車、強権 卵=市民】に喩え、「自分はいついかなるときでも、壁にぶつかって壊れてしまう卵の立場を支持する」といいました。このことはイスラエルのガザ侵攻を批判を意味すると同時に、歴史的に政治的迫害を受けた経験を持つユダヤ人の心情に訴えることでもあり、スピーチで批判されたにもかかわらず、会場から拍手が沸き起こりました。

村上さんは滅多に映像メディアに登場しませんが、その村上さんのレアな英語スピーチはカフカ賞授賞式のビデオも残ってます(you tubeで見られます、これもなかなかいいですよ。) 良い英語のスピーチが出来る有名日本人はまれじゃないですかね?(故・三島由紀夫の英語発信力はすばらしいです。これもyou tubeで見られます。) 今の総理は海外滞在も長く英語が堪能と自負されているようですが・・えっホント?と思ってしまいます。すくなくとも発音はひどいです。



【村上春樹】といえば、今や世界中(先進国から、発展途上国まで。)で最もよく読まれ、高く評価されている世界的な現代作家です。ノーベル文学賞の声もあります。私は村上さんの小説は、学生時代から就職したての頃、すごく良く読んでいました。「羊をめぐる冒険」「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「「中国行きのスロウ・ボート」など奇妙な寓話的な設定が不思議な感じで気に入ってました。また、ポップなリズムのある文体が好きでした。村上さんはあるインタビューその文体のことを言っていました。それは、いかにも文学的日本語をバラバラに解体して、再構築したものだと、言ってました。コレって、和文英訳にそのまま当てはまりますよね。日本語をそのまま英語直訳するまえに、内容を組み換えする作業が必要ですからね・・・。アメリカ文学に強く影響を受けた村上さんは日本語を外国語のように見ることが出来たのだろうと思います。

村上作品では主人公がよくビールを飲むので、当時私も真似してよく飲んでいました。今は、小説は読む時間もエネルギーもない(洋書版の【海辺のカフカ】は買っただけです。)のですが、エッセイはあたらしいのが出るたびに読んでいます。村上さんは長距離を走ることが好きで世界のあちこちのロードレースに参加されてます。私がジョギングは始めたのも、村上さんのエッセイの影響です。




Posted by いっきゅう  at 15:32 │Comments(0)

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